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2015/10/2 金曜日

  No.46 身近にある中毒

犬や猫は身近にある物を囓ったり、舐めたりして誤食することがあります。

室内にある物を囓ったり食べたり、飼い主の薬を盗み食いしたり、散歩の途中にある草花やその他の拾い食いしたり、様々なケースがあります。

1つ覚えておいて貰いたいことは、症状が出るのか出ないのか、治るか否かなどはかなり個体差があると言うことです。

①殺鼠剤による中毒

クマリン系の抗凝固性殺鼠剤。ワルファリンなどが有名です。凝固障害、いわゆる血が止まりにくくなるのが特徴です。

摂取後1-3日後に発症することが多く、鼻出血、吐血、下血、皮下出血、口腔内出血、眼出血、消化管内、関節内、脳内、胸腔内、肺出血、脳内出血なども見られます。

拮抗薬はありますが、症状が強く見られる場合は救命出来ないこともあります。

②チョコレート中毒

チョコレートに含まれるテオブロミン、カフェインなどのメチルキサンの過剰摂取による中毒です。

急性の消化器症状(嘔吐下痢など)、循環器症状(頻脈、不整脈、多呼吸など)、神経症状(興奮、不安、痙攣など)などが見られます。

中毒量は正確に把握されているわけではありません。1kgの犬が板チョコ1枚(よくある明治の板チョコ)ぐらいとも言われています。それぞれの犬の感受性にもかなり差があるみたいです。

ちょっと食べたぐらいで症状が出たりしませんが、最近ではカカオの濃度の強いチョコが発売されています。ご注意下さいね。

室内飼育の犬にとって一番リスクのある中毒とも言えますが、”飼い主さんの責任でしかない中毒”です。

気を付けて下さい。

③キシリトール中毒

食品、ガムなどに多く使われている甘味料です。犬においては、インスリン分泌を促進し、低血糖を起こすことがあります。

これもかなり感受性に個体差があります。食べた製品の含有量によっても全く違いますが、100%の製品なら1-2粒でも症状が出ることがあります。

これも飼い主の責任になる中毒ですね。

④エチレングリコール中毒

自動車の不凍液が一番有名ですが、最近の多いのがアイスノンなどの一部の保冷剤に多く使われます。

夏場に犬の暑さ対策に多く使われ、それを囓ったり食べたりする事によって中毒を起こします。

嘔吐、沈鬱と言った軽い症状から、急性腎不全(嘔吐、乏尿など)などを呈します。

腎不全まで行ってなければ予後は問題ありませんが、腎不全が見られる場合、死亡率は猫97%、犬50-70%と言われています。

⑤タマネギ中毒

ネギ類(タマネギ、ニンニク、ネギ、ニラなど)、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、カブ、からし(マスタード)、クレソン、わさびなどで起こすことがある中毒です。

これらの食品を”多量”に摂取した場合、元気食欲低下、呼吸困難、貧血、黄疸などが見られます。

特に溶血性貧血によってコーヒーや醬油色の尿が見られることがあります。

⑥ブドウによる中毒

最近、ブドウによる中毒が報告されています。

果物としてのブドウ、そしてレーズン、干しぶどうでも起こります。

摂取後6-12時間で嘔吐、下痢などが起こり、数日後に急性腎不全(高リン・高カルシウム血症など)を起こします。

どれくらい食べれば中毒を起こすのかまだ正確には分かっていませんが、ブドウ1房の皮を食べて症状が出た犬も報告があります。