胆嚢粘液嚢腫は、過剰な粘液(ムチン)の蓄積により胆嚢が拡張し、総胆管の閉塞や胆嚢の破裂を起こしてくる胆嚢の病気です。
原因などまだまだ分っていない事が多い病気ですが、胆嚢の運動低下、高コレステロールなどによると考えられています。
黄疸や肝酵素の上昇、胆嚢破裂などで多くは見つかりますが、最近では、健康診断や何かの検査の際に見つかり、無症状と時に見つかることが多くなって来ました。
症状が無くても注意深い定期観察を行い、肝酵素の上昇や症状が見られてくると手術が必要になります。また、変化の見られる前に手術で胆嚢を摘出する場合もあります。
当院では、年約2-3頭の罹患率です。
ぜひ健康診断の時には腹部超音波検査を加えられる事をお勧めします。
①腹部超音波検査(エコー):大きく拡張しキィウィーフルーツ断面様に描写される胆嚢
②摘出された胆嚢:表面は炎症を起こし、内容物の過剰な貯留で破裂寸前である。
③ゼラチン様ムチン物質で満載となっている内容物:正常では薄い黄金色でサラーとした液体の胆汁で満たされている。