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2009/11/30 月曜日

  犬の甲状腺機能低下症

犬の甲状腺機能低下症 

 甲状腺は喉(気管の外側)に左右一対ある小さな器官で、甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンの作用は、熱産生作用、糖・脂肪・タンパク質代謝に対する作用、神経系及び血管系に対する作用などさまざまで、「甲状腺機能低下症」は甲状腺からのホルモンの分泌が少なくなる病気です。

 

<原因>

遺伝的要素が関係していたり、下垂体(脳)の先天的異常や腫瘍、感染が原因のこともありますが、ほとんどの場合(95%以上)は「原発性」(甲状腺の機能異常)と言われています。

 

<症状>

 皮膚・尾から始まって全身化する両側性、対称性脱毛

   ・色素沈着、角化亢進

   ・乾燥もしくは油状の皮脂、被毛

   ・被毛色の変化、換毛(毛代わり)がうまくできない

   ・顔面や肩の粘液水腫(厚く、冷たい、腫れぼったい皮膚)

 血管系・徐脈

 胃腸系・食欲低下

    ・肥満

    ・便秘

 その他・元気消失

    ・低体温

    ・高コレステロール血症

*甲状腺ホルモンの作用が多様なため、症状も多種多様となります。

 

<診断>

 血液中の甲状腺ホルモンを測定します(外部以来のため、結果が出るのに3日程度かかります)。全身状態を把握したり他の疾患との鑑別のために、甲状腺ホルモンの測定以外に一般血液検査やコレステロール値の測定します。また必要に応じてレントゲン検査や腹部超音波検査なども行うこともあります。

<治療>

生涯にわたって甲状腺ホルモンの薬を飲ませます。投薬中、定期的にホルモン値を測定し、薬の用量や投与回数を調整していきます。予後は非常に良好です。