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2010/9/28 火曜日

  膵炎

膵臓は、胃から十二指腸に隣接して存在する臓器で、たんぱく質を分解・消化するための酵素や、胃酸を中和するための重炭酸など、様々な物質を分泌しています。
膵臓から分泌される消化酵素は強力な消化作用を持っているため、膵臓自身が消化されてしまう「自己消化」を防ぐための防御機構が備わっています。
しかし、何らかの原因で消化酵素の活性化が起こり、その防御機構が崩れてしまった場合に自己消化が進行し、膵炎が起こります。
突然激しい症状が現れる「急性膵炎」と、比較的軽い症状が持続的する「慢性膵炎」に分けられ、犬では急性膵炎、猫では慢性膵炎が多いといわれています。
<原因>
 ・肥満や高脂肪食
 ・薬剤(コルチコステロイド、利尿剤、抗菌薬など)
 ・膵臓の外傷や手術時の損傷
 ・腎不全       などが挙げられますが、原因を特定できない場合も多いです。
<症状>
 ・食欲、元気の消失
 ・嘔吐、下痢 ・腹痛 ・黄疸 ・発熱
 *特徴的な症状が出ない場合や、重度になれば呼吸困難、出血性疾患、不整脈などの症状が出ることもあります。
*重篤になるとショックや死亡に至る場合もある怖い病気です。
<検査>
 膵炎は特異的な症状がないので、他の疾患と鑑別するために様々な検査が必要になるこ
とがあります。
・血液検査(一般血液検査、生化学検査、リパーゼ活性の測定)
・腹部レントゲン検査
・腹部超音波検査
・尿検査、糞便検査
<治療>
 ・輸液療法(点滴)
 ・低脂肪食の給餌
 ・抗菌剤、制吐剤、鎮痛剤などの薬物の投与
 ・輸血(出血傾向や低タンパク血症など全身状態の悪化が見られる場合)

*症状が改善してからも高脂肪食は避け、安静にしてください。