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2011/5/30 月曜日

  フィラリア予防

犬フィラリア症:犬糸状虫症
①寄生虫の病気:フィラリアの幼虫を体内に持つ蚊(フィラリア感染犬の血を吸った蚊)に刺されると感染し、犬の体内で成長し、6ヶ月すると心臓(右心室から肺動脈)の中で成虫(素麺みたいな糸状)になる。
②何回も蚊に刺され、何匹もフィラリアが感染し心臓で発育し、数年するといろんな症状を出す。

なぜフィラリア症は怖いの?
愛犬の死亡原因のトップがフィラリア症です。犬同士で直接感染するのではありません。
この寄生虫は心臓に寄生し、心臓だけでなく肺や肝臓、腎臓までも影響を及ぼしていき、慢性右心不全に陥り、症状が見られる。

フィラリア症の症状は?
初期:殆ど症状がありません。症状が出るまで数年かかる。
中期:散歩に行きたがらない。食欲にむらが出る。時々咳が出る。
末期:重度の進行期。散歩中に倒れる(失神)。
   お腹が大きくなる(腹水)。
   口、目などの粘膜に赤みがない(貧血)。激しい咳がでる。
   血尿(醤油色):ベナケーバ:大静脈症候群
        慢性症状の間に急に悪化する病態→OPE

Q:家の中で飼ってるから大丈夫?
A:蚊は気温が14℃以上で吸血します。だから室内のほうが蚊が早く出現し、遅くまでいます。また、室内をしっかりガードしていても散歩の途中で吸血されます。

「蚊の吸血期間」気温13℃以上~13℃以下
        (龍野近辺では、3月下旬~11月中旬)
「予防期間」4月5月~12月まで
        各飼育環境により違う。
        工場や事務所、お店、ホテル関係では年中暖かい。
        年中蚊が居るかもしれない環境では、年中予防。

「フィラリア症の予防」
まず毎年のフィラリア検査(血液検査):少量の血液で約5分。
  フィラリアに感染していると予防薬で副作用が出る恐れがあります。
  出来るだけ血液検査をしてから予防薬を投与しましょう。
①毎月一回の投薬:蚊が出始めて1ヵ月後~蚊がいなくなる1ヵ月後まで。
  たつの近辺では、4月~12月までが予防期間。
  飲み薬
  ・チュアブル:イベルメック:イベルメクチン(虫下しも配合)
          ・モキシデック:モキシデクチン(錠剤)
           その他:カルドメック、システック
  滴下型
  ・アドバンテージハート:背中に月一回垂らすタイプ。ノミ駆除も
  ・レボリューション:背中に垂らすタイプ
                    ノミ・ダニ・耳ダニ駆除

②年2回の注射薬:注射後6ヶ月間持続するので、1年に2回の投与が必要。
  ・モキシSR

フィラリアに感染してしまったら?
  症状のあまりない感染初期や中期であれば、比較的簡単に治療できます。しかし、症状の激しい末期(咳、失神など)では、なかなか完全に治す事は無理です。ある程度の症状を押さえながらの対症療法しかありません。
 だからこそ、毎年4月頃に必ず検査を行い早期発見早期治療を行いましょう!
治療法
①成虫駆除:イミトサイト  2回の注射でフィラリア成虫を死亡させる。
  →しかし一気に虫が死ぬので肺の動脈に死亡虫体が詰まって犬が弱ったり急死したりすることがあるので注意!
②リーチバック:予防薬を三年間一年中投与。これをお勧めしています。
②対症療法:右心不全への治療
腹水(利尿薬)、咳(ネオフィリン、プレ)、
失神、運動不耐(ジゴシン、エースワーカー、ベトメジン)など