院長の寺田です。今回は、私のお勧めの本を紹介します。
待合の本棚にちょこっといつの間にか置いていることがあるので是非、手に取って見てみて下さい。
今回ご紹介するのは、僕の大好きな海洋冒険小説の名作
J.ベルヌ作 海底二万里
月世界探検、八十日間世界一周など1800年代後半に沢山の名作科学小説を出したJ.ベルヌの名作の一つ。
世界中の海で謎の海洋事故が起こり、多発する事故の謎に世界中の人々が注目していた。謎の海洋生物?大きな鯨?巨大蛸?海獣などいろんな噂が飛び交い、それを求めて多くの船が海に出て行った。しかしその多くが帰らぬものと。
そんな中、著名な博物学者の”わたし”がその謎解きの旅にフリーゲート艦で海に乗り出した。
そしてとうとう太平洋の真ん中近くでその謎の怪物”見たことのないクジラ”に出会い、交戦。そして激突し、難破。
助けられたのは、謎の怪物。
それは人々の考えも及ばぬ高度な科学の結晶、潜水艦ノーチラス号であった。
艦長は謎の男、ネモ艦長。助けられたわたしはこのネモ艦長とともにノーチラス号で世界中の海を海底探検することになった。
海の中の平原散歩、海底の森、海底炭田、失われた大陸アトランティス。珊瑚の海。真珠の養殖。
そして隠された財宝と鉱物資源。
太平洋から日本沖の海底、シナ海、トレス海峡を経てインド洋。素晴らしい珊瑚の海から紅海へ。
紅海から地中海へと通じる知られざる海底トンネル、アラビアントンネル。
大西洋を南下し、南極へ。
二万海里の走破と限りない海底の脅威を探検する物語である。
しかし、それだけの物語ではなく、謎の男ネモ艦長の人間像と地上との絶縁した訳などヒューマンドラマも素晴らしく描かれています。また、自然破壊などへの警告。
この物語が書かれたのは1870年頃、日本は江戸末期から明治初期の頃です。なのに140年たった現在に読んでも全く古さを感じさせない素晴らしい作品で、作者J.ベルヌの先見性と想像力の深さに感嘆します。
また、福音館古典童話シリーズの海底二万里には素晴らしい挿絵も入ったまま出版されています。是非、手にとって挿絵だけでも見てください。