院長の寺田です。
昨日から10連休なんてかたもあるのでしょうね。今年はお天気も良さそうで皆さんいろんなところにお出かけされたり、ゆっくりされたり、リフレッシュされるのでしょう。
外気温は過ごしやすいでのすが、車の中は結構温度が上がります。このGWも車内でのペットの熱中症が見られる時期です。よく気を付けて下さい。
また、野山、河川敷などへのお出かけの時にはダニ駆除剤を必ず投与しておいて下さい。そして帰宅前には必ずブラッシングでノミダニを落としておきましょう。それでも取り逃がした物を駆除剤がやっつけてくれるという様にお考えください。
それでは皆さん、楽しいGWをお過ごし下さい。
病院はカレンダー通りにお休みですが、よほど何かありましたら留守番電話に入れておいて下さい。遅くなるかもしれませんが、折り返しお電話させて頂きます。
No.16 ゴールデンウィーク
No.15 今月のオススメ図書
院長の寺田です。
桜の季節が過ぎ、早春の薫り漂う季節となりました。山に上がるとむせ返る様な木々の匂いが充満しており、生命を感じる新緑の季節ですね。
今月のオススメ図書は、藤城清治 著 ぶどう酒びんのふしぎな旅 です。
原作は、あのアンデルセンです。物語はある老婆の家から始まります。老婆の飼い鳥の水飲み様に窓辺に置かれた壊れかけたビンは、実は、老婆が若かりし頃、自分の結婚式で使われたぶどう酒瓶だったのです。あの幸せな結婚式のあと、次々と人の手に渡りながらぶどう酒びんは旅をしていく。いろんなヒトの人生の一瞬を旅し、いつの間にか欠けらのようになっていく。幸せな結婚式を挙げた少女もいつの間に老婆に。老婆があの幸せな結婚式のあといろんな人生があったように。
アンデルセンの童話は、生きる力強さと悲哀を感じさせてくれます。僕の母親は小さい頃から本当に沢山の本を買ってくれました。その中にはアンデルセン童話集もありました。今の自分という人間の基礎を作ってくれたのは、あの母が子供の頃に買ってくれた沢山の本達であり、母には本当に感謝しています。
今は、ディズニーなど沢山の素敵なアニメがありますが、ぜひ皆さんもお子様達に世界中の絵本そして童話を読んであげてくださいね。たつの市立図書館は、沢山の素敵な本達が待っていますよ。
さて、今回ご紹介した絵本は講談社より出版されているもので、僕の敬愛して止まない藤城清治先生の物です。言わずとしれた切り絵、影絵作家である先生は、今年89歳。いまだ現役で数々の素晴らしい作品を送り出しておられます。僕も先生の作品の中で大好きな作品を一つ持っています。その絵を見るといつも癒されます。この絵本は、そんな先生の切り絵がふんだんに使われ、アンデルセンの世界をよりいっそう深い物に仕上げています。
実は、藤城先生のご自身の美術館が4月26日栃木県那須にオープンします。いつか早いうちに僕も行ってみたいと思っています。来週に迫ったゴールデンウィークにまだ旅行先を決めていない方、良かったら僕より先に訪れてみられてはいかがですか。
明日から待合にもこの絵本を置いておきますね。ぜひ手にとって、藤城ワールド、アンデルセンの世界を見てみて下さい。そしてぜひ、お子様に読み聞かせてあげてください。オススメです。そうそう、僕は今でもケロヨン、好きです。
No.14 椎間板ヘルニア
ここの所、春の陽気と花冷えが交互にやって来ていますね。その上昼間と朝晩の気温の差が非常にある季節です。
こんな時に多いのが心疾患の急性増悪期である酷い咳と呼吸困難を呈する肺水腫の犬やフィラリアに感染して甚急性の症状である血色素尿(醬油色)を呈する大静脈症候群の犬です。
次いで多く見られるのは、下痢や嘔吐の消化器疾患。膵炎(ひどい嘔吐と下痢)や異物による腸閉塞などがありました。
そしてこの時期に見られることが多いのが、犬の椎間板ヘルニアです。
先週の日曜日には、第3-4頸椎椎間板ヘルニアで痛みと歩行起立困難が見られたチワワ、第1-2腰椎椎間板ヘルニアで歩行起立困難(完全麻痺、深部痛覚あり、グレード4)が見られたダックスの二つの手術がありました。チワワのワンチャンは神経病専門病院でのMRIを希望され、金曜日に神経病専門病院の京都ARセンターにてMRI検査を行い日曜日に当院で手術を行いました。当院では頚部の椎間板ヘルニアの手術にも片側椎弓切除術を一般的に行っております。ダックスのワンチャンは脊髄造影検査を希望され、当院にて脊髄造影検査後にそのまま手術となりました。
どちらのワンチャンも幸いにも術後の経過も良く、本日退院となりましたが、どちらのワンチャンも起立も歩行も少しずつですができるようになっており、大変良好な経過が見られ、スタッフ一同ホッとしております。
当院では、CT検査やMRI検査など高度医療につきましては、加古川動物病院地域連携室、京都ARセンター、ネオベッツVRセンター、クオール動物病院などにご依頼、ご紹介をしております。患者様自身が行かれない場合には、当院獣医師による送迎を行い、検査の所見を依頼病院より直接獣医師が報告を受け、患者様にご説明できるようにしております。ご自身で大切なペットを連れて行けない時にはぜひ、獣医師による送迎をご利用ください。
以下の写真は、チワワのMRI検査、ダックスの脊髄造影検査結果です。
No.13 集合注射
No.12 大腸炎症性ポリープ
下痢や血便を呈する疾患には、多様な疾患が存在します。
体調がすぐれない、草をよく食べた、ひろい食いをした、フードを急に変えた、新しいおやつをあげたなどから起こる単純な下痢から、回虫などの寄生虫、急性・慢性膵炎、ホルモン疾患、パルボウィルス感染症、炎症性腸炎、腸の腫瘍などといった病気も隠れている場合があります。
元気があれば、まずは24時間絶食(飲水はさせてください)して様子を見て下さい。それでも2-3日続く時は診察をオススメします。単純な下痢であれば整腸剤・下痢止めなどの投薬や下痢などの腸疾患専用処方食の使用などで落ち着くはずです。
それでも続く時は各種検査(血液・生化学検査、レントゲン検査、腹部超音波検査、内視鏡検査など)を行って行くことになります。
ここ数年ミニチュアダックスに多く見られるのが「大腸炎症性ポリープ」です。
症状としては、慢性の潜血便を呈して来院されることが殆どです。ポリープはもろくて出血しやすく、便の周囲に潜血が付着する事が多く、排便回数が増えたり、しぶったりします。一般的にはそれ以外に症状はなく、元気食欲も正常なことが多いです。
血液・生化学検査、レントゲン検査、腹部超音波検査を行った上で、全身麻酔下で下部消化管(直腸)内視鏡検査を行います。
直腸の様子を観察し、数カ所の病変を少し取って(生検)病理組織検査を行って確定診断します。
治療は、内科治療としてステロイド、シクロスポリンなどの投与、食餌療法を行います。それでもなかなか落ち着かない症例には、外科治療として結腸粘膜-粘膜下組織プルスルー法といった手術を行います。
内科治療・外科治療で症状の落ち着く事が多いのですが、なかなか治癒しにくい症例もあります。