寺田動物病院
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2013/5/24 金曜日

  No.20 タマネギ中毒

院長の寺田です。

昨日、何年ぶりかですが”タマネギ中毒”のワンチャンが来院されました。犬にタマネギは良くないって事は最近の患者さんは大概知っていらっしゃるのですが、不意に食べられてしまったり、知らないうちにテーブルの上のものを食べてしまったりと言うことで見られることが殆どです。

タマネギ中毒の症状としては、血尿です。醬油色とかコーヒー色とかというふうに表現される血色素尿と言われるものです。この血色素尿は、血液の溶血によってなるので、貧血が起こっています。貧血の症状では、しんどそうとかなんだか元気がないとかです。

血液検査では、ハインツ小体性溶血性貧血が起こっています。

タマネギの成分が赤血球の表面の膜を傷害してしまい、脾臓や肝臓で赤血球の取り組み処理が亢進し、赤血球が崩壊しやすくなり、赤血球の寿命が短くなり、貧血が起こってきます。

タマネギそのものを食べた場合だけでなく、ハンバーグや餃子、焼き肉(タマネギと一緒に焼いた時)、肉じゃがなど素材として使われた料理にも注意が必要です。

ただ、犬によってかなり感受性が差があるので、少々食べたぐらいではなかなか中毒まで起こることはありません。また、食べたからといってすぐに何か対処できるようなお薬もないので様子を見守ることになります。

症状が酷い場合の治療法は、輸血になります。中毒の影響が体から過ぎ去るまで輸血でしのぐと言うことです。

幸い、今回のワンチャンは一時的に血色素尿が見られただけで酷い貧血を伴わずに元気いるので特別な治療は必要ありませんでした。

これからバーベキューなども多い季節です。気を付けてあげて下さいね。

身近なもので注意するものとしては、タマネギ以外にもあります。

タマネギ、ニンニク、ネギ、ニラ、そして頭痛薬(アセトアミノフェン)、ナフタレンなども同じような中毒を起こします。

違ったタイプの中毒で注意したいのは、

キシリトール(ガムで多い)、チョコレート、ぶどう(干しぶどう)、そして夏場は、保冷剤(アイスノンやペット用冷やすマットなど)があります。保冷剤は夏場に使用されるのですが、これをペットシーツを破くように遊んで破いてしまい、中身を舐めたり食べたりして中毒を起こすことがあります。

よく注意して下さいね。

2013/5/22 水曜日

  No.19 新緑の季節ですね

病院の植え込みのさつきが今、真っ盛りです。IMG_1369

2013/5/13 月曜日

  No.18 やはりフィラリア予防は忘れずに!

フィラリア症の予防時期は、「蚊の吸血開始の翌月から~吸血終了の翌月」までです。

感染したフィラリア虫が体内で約1ヶ月後に脱皮した子虫を予防薬で駆虫してます。なので4月に感染したのを5月6月のお薬で守ります。11月のは12月の投与で守ります。これを必ず理解して下さい。

蚊の吸血は気温が13度を超えると始まると言われています。

ここ西播地域においては、赤穂や海側の地域、たつの市、そして宍粟市波賀町などといったかなり地域により気温が違います。また、工場や倉庫、ホテル、飲食店などでは一年中暖かく、蚊が吸血していたりします。一概に何月から何月までが予防期間とは難しい面があります。

実際に、当院でも4月~12月まで間違いなく予防薬を投与していたのに感染していたり、6月~11月や1~2回投与を忘れただけで感染していたりした例が何度かありました。各ご家庭での飼育環境に応じて、年中投与も必要な場合がありあます。当然、6月~11月で十分な地域もあると思われますが、飼い主がしっかり把握していることが大切です。

上記のことから、当院では一般的には「4月もしくは5月~12月」、もしくは年中予防をオススメしております。

寒くなっても予防!!お忘れなく!

昨日も一昨年、昨年と10月までの予防しかしていなかったワンチャンの感染が確認されました。(写真参照)

検査キットで赤いラインが出れば感染陽性です。やはり毎年の検査も必要ですね。お忘れなく。

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2013/5/9 木曜日

  No.17 犬のアトピー性皮膚炎

犬のアトピー性皮膚炎は非常に診断の難しいものです。1回の診察だけでアトピー性皮膚炎と診断することは非常に少ないものです。なぜなら、症状の経過や飼育状況など飼い主さんからお聞きすることも多く、また経過を辿りながら診断していく物だからです。

どの様に診察診断していくのか簡単にお話しましょう。

ます、強いかゆみが特徴です。病変としては全身性の物から局部のみの物まで様々ですので見ただけで、”一度”で診断なんて事は期待しないで下さい。また”1回の治療で治ってしまう”なんて事もあり得ません。

まず第一に、外部寄生虫症を疑い、ノミ・ダニ・疥癬(目に見えないダニです)、犬毛包虫(アカラスとも言われます)などを検査し、治療的診断として治療薬を投与しておいたりします。ノミダニ駆除剤(フロントライン、コンフォーティス)を必ず使用して頂きます。

ついで、皮膚感染症が伴っているかを疑います。皮膚の検査行い、皮膚の細菌感染、酵母(マラセチア)感染を診断・治療します。

これらをコントロールしながら経過観察していてもなかなか治まらない”強いかゆみ・発赤”があればアレルギー、アトピーを考えていきます。

原因には、口から入る食べ物、吸い込む環境要因(ハウスダストや花粉、化学物質など)、皮膚からの付着吸収(環境要因と同じ)などが多くあり、複雑に関与しています。卵アレルギーなどのように1個だけなのは稀なケースです。殆どは複雑に原因が関与しております。

そこで、まずは食餌成分の関与を疑い、除外食(低分子プロテイン、アミノプロテインなど)を2-3ヶ月給餌します。

以上の事を行ってもまだ強いかゆみが残存している場合に、アトピー性皮膚炎の可能性を考えていきます。

臨床的な診断基準として、

初発年齢が3-5歳くらい。

好発犬種:柴、シーズ、レトリバー、ウェスティーなど

顔(耳介、眼周囲、口唇)、足(肢端、趾間など)、腹部中心の病変

慢性のかゆみを伴う皮膚炎

季節性の変化の病歴(何年かすると通年化している)

といった症状が特徴です。

原因物質などの検査(血液)も行うことがあります。

焦らず、長い時間が掛かります。

ゆっくりと、しかし、見逃すことなく病院に掛かって下さい。