寺田動物病院
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2013/10/23 水曜日

  No.30 重症熱性血小板減少症候群SFTSについて

マダニなどから人間が感染する重症熱性血小板減少症候群SFTSについて最近話題になっております。

野原いるダニから感染するウイルスの病気です。感染発症すると発熱と血小板減少により凝固障害(血が止まりにくくなる)が特徴です。

大切なことは、野原に出かける時は肌を露出しない様にし、帰宅時によく服やズボンを払ってダニを落とす事です。また、帰宅入浴する時などにダニが食らいついていないかよく確認することです。ダニに咬まれていてもあまり感じないことが多いからです。

犬から人間が直接感染するようなことはありません。しかし、犬が散歩中にダニを付けて帰ってくることはよくあります。なので、散歩の最後には必ずよくブラッシングを行い、ダニを落としましょう。

また、ダニ駆除剤(フロントラインなど)を使って犬のダニ駆除は必ず行っておいて下さいね。

必ず正確な情報を得ましょう。

以下の厚生労働省のHPをよく読みましょう。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 

2013/10/12 土曜日

  No.29  歯磨きの仕方

03.13 290ペットのための デンタル・トレーニング

犬や猫のお口の問題は、殆どが歯周病の問題です。虫歯は殆どありません。

最近は、寿命が延びたことと、フードの給餌により歯周病が非常に多く見られます。ぜひ、小さいうちから歯磨きをしてあげて下さい。

少しずつ、飼い主も動物もなれなければいけません。以下に書いた段階を踏んで、1ヶ月ぐらいかけて焦らずすすめてください。

楽しく!遊ぶように!が合い言葉。
第1段階
・ 口を軽くつかんでしばらく閉じる。
・ その状態を数秒間維持できるようになれば、口唇をめくり上げて奥の歯を調べる。(無理に口を開けないで!少しずつ慣れさせてください。)

第2段階
・ 口腔内を調べる時間を徐々に長くする。
・ 約10秒以上口の周りや歯を見せれるようになれば、指にガーゼをまき、歯と歯肉を軽く擦る。
・ この状態で嫌がらずに行えるように何度も練習する。(慣れると歯磨き剤をつけて行う)

第3段階
・ 歯ブラシ(柔らかいものがよい)を使用する。前歯部より始める。嫌がったらガーゼで行う。
・ 奥の歯まで歯と歯肉をマッサージするように磨く。

・ 外側が難なくできるようになれば内側も行う。(嫌がるなら外側だけでよい。)

有末ラブ(MD)スケーリング①写真は、重度の歯石の沈着が見られる重度の歯周病です。歯周病から歯槽骨・上顎骨が溶解され、口から鼻に穴が空いています。(口鼻瘻管)

2013/10/5 土曜日

  No.28 犬の子宮蓄膿症

この一ヶ月、食欲不振やおりものを主訴に来院されるワンチャンが多く見られ、何頭かががこの病気、子宮蓄膿症でした。
子宮は、受精した卵子(受精卵)を着床させて胎仔を発育させるための部位で、犬や猫の子宮はY字形をしていて、「子宮体」という短い部位と「子宮角」という二つの長い部位から形成されています。
子宮蓄膿症とは、子宮内で細菌が増殖して膿が貯留する病気で、発情に関与するホルモンの影響を受けるため、発情終了後2〜3ヶ月以内に多く見られます。
高齢で出産経験のない犬に多く見られますが、若い犬や、出産経験のある犬にも見られます。

<症状>
・元気消失
・食欲不振
・多飲・多尿(多量に水を飲み、たくさんの尿をします)
・嘔吐
・外陰部からの膿状のおりもの          など。

子宮内に溜まった膿が外陰部から排泄される「開放型」と、排泄されない「閉鎖型」があり、閉鎖型では、子宮が破裂してお腹の中に膿が漏れ出して、急激に状態が悪化することもあります。

<検査>
腹部の超音波検査で、子宮内に液体(膿)が貯留しているかどうか確認します。多量の膿が貯留している場合は、X線検査で太く管状に膨らんだ子宮が確認できます。
子宮に細菌感染が起こるため、白血球が増えます。食欲不振や嘔吐による脱水や、敗血症(血液中に細菌が存在する状態)による腎臓や肝臓の機能障害が起こっていることもあり、これらを調べるために血液検査を行います。

<治療>
まず、脱水や腎臓機能回復のために、輸液と抗生剤の投与を行います。

① 外科的治療:卵巣子宮摘出術を行います。
麻酔・手術・合併症の危険はありますが、手術によって完治
することが出来ます。

②内科的治療:食欲・元気があり全身状態が悪くない場合は、抗生剤等の投
与で治癒する場合があります。
* ただし、再発する可能性は充分にあります。

③ホルモン療法:子宮を収縮させる働きのあるホルモン剤を注射して、子宮
内の膿を外に排泄させます。一日1〜2回の注射を3〜5日
連続で注射します。
*この方法は、「開放型」で全身状態が悪くなく、繁殖に用
いられる犬や猫で行われることがありますが、嘔吐や呼吸
が荒くなるなどの副作用が見られたり、高率で再発が起こ
るため、通常は子宮卵巣摘出術を行います。

※わからないことや心配なことなどありましたらどんなことでもご相談下さい。