犬のしつけは一生必要です。
しつけは強要ではなく、能力を上げるためのトレーニングです。この能力とは、「飼い主との生活へ上手く順応する能力」です。飼い主も犬もストレス無く良い関係を保つには必ず必要なトレーニング(しつけ)であり、何もしないと只のわがままな状態にしかなりません。また、一度覚えて出来るようになっても、飼い主がやらなくなると「やらなくて良い」と犬が新たに覚えてしまい、出来なくなります。
いろんな方法、ポイント、やり方がありますが、何かひとつでも始めなければいけませんね。
そんな方法をちょっとお教えします。
①必ず毎日やること。
②静かな集中できる環境で行うこと。
③犬と一対一で行うこと。
これは人間の教育に例えると、読み書きそろばんや百ます計算の様なものだと考えて下さい。成績を上げることが目的ではなく、静かに集中して机に向かう事が出来るようになると自然と”落ち着きのある子供”になるのと同じ事です。
今回ご紹介する方法は、一般的な服従訓練との間には大きな違いがあります。この方法の目的は、まず飼い主と犬が楽しく時間を過ごせるようになることであり、 犬は困った時にはいつでもリラックスして飼い主の指示を仰げば安心なのだという
ことを犬に覚えさせることです。
(ご褒美)
このプログラムで使うご褒美はドライ(乾燥)フードを使います。また、犬が おやつだけでお腹がいっぱいにならないように注意。どうしても食欲のない時には、ハムやウィンナーを少しだけ使いましょう。
(時間)
1日2回朝晩10分ずつ。空腹時にやりましょう。
(具体的な練習方法)
まずご褒美を15個ほど持ちます。
犬の名前を呼んで自分の所に来させます。(ご褒美を持っているのに気づくと
飛んでくるはずです。)
「お座り」と号令。犬が従えば「いいこ」と誉めながらご褒美を1個だけ!与えます。
もし犬が「お座り」の号令に興奮して従わないなら、この練習は直ちに中止します。
犬がどんなにご褒美を欲しがっていても、犬が落ち着くまで30分でも犬を無視して
下さい。犬が30分ほど経ってようやく落ち着いたら、改めて練習再開して下さい。
練習は必ず床の上で実施して下さい。ソファーなどの上ではやらないように。
練習の終わりには、必ずうまく出来た号令をかけて、犬と楽しい気分で終了しましょう。
「終わり!」といいながら手を叩いて思う存分なでて可愛がってあげてね。
このプログラムは必ず飼い主がリーダーなんだよ!って気持ちだけは忘れないこと!
一緒に遊んであげてるよ!って感じで楽しんで下さい。
(練習例)
①「お座り」5秒間→ご褒美
②「お座り」10秒間→ご褒美
③「伏せ」5秒間→ご褒美
④「伏せ」10秒間→ご褒美
⑤「お座り」「伏せ」「待て」5秒間→ご褒美
⑥「お座り」「伏せ」「待て」10秒間→ご褒美
⑦「お座り」「待て」→飼い主が1歩下がり戻る→ご褒美
⑧「お座り」「待て」→飼い主が2歩下がり戻る→ご褒美
⑨「伏せ」「待て」5秒間→ご褒美
⑩「伏せ」「待て」10秒間→ご褒美
⑪「伏せ」「待て」→飼い主が1歩下がり戻る→ご褒美
⑫「伏せ」「待て」→飼い主が2歩下がり戻る→ご褒美
⑬「お座り」10秒間→ご褒美
⑭「お座り」「待て」→飼い主が1歩右に動いて戻る→ご褒美
⑮「お座り」「待て」→飼い主が1歩左に動いて戻る→ご褒美
⑯「伏せ」「待て」→飼い主が2歩下がり戻る→ご褒美
⑰「伏せ」「待て」→飼い主が2歩右に動いて戻る→ご褒美
⑱「お座り」「待て」15秒間→ご褒美
⑲「伏せ」「待て」→飼い主が2歩左に動いて戻る→ご褒美
⑳「伏せ」「待て」→飼い主が犬の周りを回って戻る→ご褒美
㉑「お座り」「待て」5秒間→ご褒美
㉒「お座り」「待て」3秒間→ご褒美
「終わり!!」と言って軽く手を叩き、愛犬を誉めてあげましょ♪
いきなり全て出来なくて当たり前です。まずは①を毎日。出来るようになると①+②といった感じで少しずつ増やしていきましょう。