寺田動物病院
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2014/7/22 火曜日

  No.28 今月のオススメ図書

こんにちは、院長の寺田です。

今年は第一次世界大戦から100周年の年になるそうです。近代日本の大きな戦争としては維新後、日清・日露そして第一次世界大戦、第二次世界大戦となりますが、日露戦争の戦死者約10万人、第一次世界大戦では900万人ともの凄い数になっていきます。それは爆弾などの大量破壊兵器の登場に因るものです。そして国民皆兵政策(徴兵制度)、ロシア帝国・オスマン帝国の滅亡(革命、社会主義運動)などが起こり、第二次世界大戦では500-800万人もの戦死者が出ました。なんと戦争とは大きな犠牲を払わなければ行けないものなのでしょう。日本そして世界の歴史を深く学ぶと共に、現代の世界情勢そして明日の世界を国民みんなが熟慮しなけばいけませんね。

今回ご紹介する図書は第一次世界大戦の悲惨さを、主人公を”馬”として語らせることで描いたモノです。

「戦火の馬」 マイケル・モーパーゴ 原作 佐藤見果夢 訳  評論社

わたしの名前は、ジョーイ。イギリスの田舎で飼われる1頭の農耕馬だ。飼い主のアルバートと素朴で楽しい生活を送っていたが、世は第一次世界大戦が始まり、私はアルバートの手を離れ戦争にかり出されていった。ライバルであり相棒となるトップソーンと共に戦地フランスを回った。最初の戦いで無残にも敗北し、偶然にもフランスの農家で優しい少女に育てられた。しかしすぐに戦火の中に。激しい砲弾、厳しい雪や雷雨、じめじめした塹壕の中を必死に荷車や巨大な砲台を運んだ。戦況と同じように、兵隊達と共にどんどんすさんだ状態になっていった。そして私はとうとう破傷風にかかってしまった。不治の病から助かった私は、イギリスから兵隊としてやって来ていたアルバートと奇跡的な再会を果たしたのだ。

第一次世界大戦では、イギリス兵の戦死者およそ100万人。そして200万頭の馬が銃弾や大砲に倒れ、またはぬかるみに浸かり病気になり死亡したのです。大陸で生き残った馬は全て食用として売られていったそうです。

長くなってしまいましたが、この物語は児童書として書かれています。

ぜひ、手にとって読み、お子様達に薦めてあげて下さい。多くの子供たち、特に中高生に読んで頂きたいと思います。馬の忍耐強さ、従順さ、利発さ、そして馬がどれほど知性ある生き物なのか、そしてなんと言っても戦争のむごさを勉強出来るはずです。

その後で、ぜひ、スティーブン・スピルバーグ監督、映画「戦火の馬」を見てください。

原作も映画も素晴らしい作品です。

そうそう、この夏、イギリスで舞台化された物が日本にやってきます。ぜひそちらも!

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