「椎間板ヘルニアの症例」
犬の椎間板ヘルニアは、人間の椎間板ヘルニアと比べ非常に重度な症状を呈します。椎間板ヘルニアを発症した犬のうち、約5%が死亡する(脊髄軟化症などで)にいたる重篤な病気であり、症状が進んでいるものが多いので回復率が悪いのも特徴です。
当院では、特に椎間板ヘルニアにおいて神経学的検査による診断と病態の把握をしっかりと行う事はもとより、専門技術者のいる紹介病院でのMRI検査をお受け頂くことでより正確な診断心がけております。
手術は、当院で行っており、内科療法また、術後のリハビリもしっかりとアドバイスさせて頂いております。
脊髄造影検査による病変部位の特定は当院でも行えますが、MRI検査の方がより正確に病変部位の特定、脊髄の状態の把握(脊髄軟化症などの手術不適応症例の発見、脊髄浮腫の程度の評価による予後回復の予測など)が行えます。
MRI検査は、読影者の技術も非常に大切です。そこで当院では、日本で唯一の獣医神経病専門病院であるKyotoAR獣医神経病センター、もしくは、高度医療が充実し、優秀な獣医師のいらっしゃる加古川動物病院でのMRI検査をお勧めしております。
*ただし、動物ではMRI検査は全身麻酔下で行います。その分、MRI検査費用は、麻酔料など込みで約六万円~十万円となります。)
また、術後回復が確実となった時点において、他部位での発症予防にPLDDといわれるレーザー椎間板蒸散治療(全身麻酔下で多数の残存椎間板へ穿刺レーザー照射)を希望される方には、かない動物病院(姫路市)をご紹介しております。
「ミニチュア・ダックスフンド 12歳 メス」
突然の後肢麻痺
神経学的検査:両後肢の完全麻痺(随意運動なし)。姿勢反応消失。深部痛覚あり
臨床的評価:グレード4
血液検査、単純レントゲン検査において問題なし。
MRI検査をお勧めし、KyotoAR獣医神経病センターにて検査。
翌日、当院にて手術を行いました。
MRI検査にてヘルニアの病変部位の特定、脊髄の浮腫や炎症の評価が行え、安心してそして確実に手術が行えました。