犬混合ワクチンの変更について 追記

犬の伝染病ワクチンを7種混合から10種混合に変更しましたが、その理由をもう少し詳しくお伝えします。

犬の伝染病ワクチンには、主体となるコアワクチン(4種類:ジステンパーウィルス、パルボウィルス、アデノウィルス2型ウィルス、犬伝染性肝炎ウィルス)とノンコアワクチン(パラインフルエンザ、コロナウィルス、レプトスピラ)とがあります。

コアワクチンは、5種混合ワクチン(上記4種以外にパラインフルエンザウィルス含む)、ノンコアワクチンはレプトスピラ単味ワクチンとなります。

レプトスピラは細菌の伝染病で、血清型によって250種類以上に分類されます。そのうち7種類(ポモナ、カニコーラ、イクテロヘモラージ、ハージョ、オータムナリス、オーストラリス、グリポティフォーサ)が家畜伝染病予防法において届け出伝染病として指定され重要視されています。

従来の7種混合にはコアワクチン5種類+レプトスピラとしてカニコーラとイクテロヘモラージが含まれており、10種混合にはコアワクチン5種類+レプトスピラとしてカニコーラ、イクテロヘモラージ、グリポティフォーサ、ヘブトマディス+コロナウィルスが、レプトスピラ単味ワクチンにはレプトスピラとしてカニコーラ、イクテロヘモラージ、グリポティフォーサ、ヘブトマディスが含まれています。残念ながらすべてのレプトスピラに対応できるワクチンはありません。

西播地域においてこれまで当院が診断したレプトスピラとして、ポモナ、イクテロヘモラージ、グリポティフォーサ、ヘブドマティスが見られております。このように西播地域ではレプトスピラ症が散発的にみられる地域なので、毎年のレプトスピラの予防接種を推奨します。

これらの事により7種から10種混合(5種混合+レプトスピラ4種類+コロナウィルス)へ変更しました。

また、成犬になってからのワクチン接種に関して、毎年の定期接種以外に、コアワクチンに対する抗体検査を行い、高い抗体価が確認されればレプトスピラ単味のワクチンのみを接種していくことにも対応しております。ご希望の方は、お申し出ください。