寺田動物病院
診察時間のご案内
しつけ教室のご案内
トリミングのご案内
Blog
獣医師勤務表
スタッフ募集
動物取扱業標識
◆往診を行います。【要予約】
 エリア:たつの市・太子町・林田町
 時間:13時~14時
 お気軽にご予約下さい。

公益社団法人日本動物病院福祉協会

Team HOPE

各種カード取扱

保険取扱
2006/10/26 木曜日

  老齢病

よく診察の合間に聞かれることがあります。

「この子はいったい人間でいうと何歳ぐらいなんですか?」

何歳になってもペットは、子供のように愛されるものです。10歳でも15歳でも自分の子供のようです。

でもペットも生き物。寿命があります。
平均寿命は、昨年のペット業界の統計では、
犬も猫も約11~12年といわれています。
しかし、一般的に病院にこられる犬猫を見ると、14~15年が平均ですね。

当院での最高齢は、犬も猫も20歳の子がいました。

それでも20年。飼い主である人間よりやはり短いものです。

そうするといったい何歳から大人?老齢なの?

医学的に決まった年齢の換算はありません。
(俗説はたくさんありますが・・・)

*医学的には、犬と猫で老齢健康管理プログラム開始が推奨されている年齢が以下の表のように示されています。

小型犬(<9kg)   9~13歳

中型犬(9~22kg)  9~11.5歳

大型犬(22~40kg)  7.5~10.5歳

超大型犬(>40kg)  6~9歳

猫(ほとんどの血統)  8~10歳
 
あくまでこの年齢は目安です。
老化していく速度も、その子その子によって、
いわゆる個体差があります。

犬と猫の寿命に影響する因子は、

○小型犬は、大型犬より寿命が長い。

○肥満の犬猫は、肥満していない犬猫より寿命が短い。

○高脂肪食、低繊維食、または両方を組み合わせた食餌は、寿命を短くする。

○室内飼いの犬猫は、室外飼いの犬猫より寿命が長い。

○田舎に住んでいる犬猫は、都会に住んでいる犬猫より寿命が長い。

○避妊手術をした犬猫の方が、避妊手術をしていない犬猫より寿命が長い。

これらのことが言われています。

診察する上で、当院では以下のように分けてアドバイスしています。

1歳まで   成長期

1~5歳   青年期

5~10歳  中年期

10歳以上  老年期
 

今も、診察に7歳のゴールデンレトリバーが来られました。

1年に2回ほどの健康診断程度で、全く病気をしない健康なワンちゃんでした。

少しづつ茶色の毛並みの中に、白髪がたくさん生えてきていました。

もうこのワンちゃんも中年のおば様です。

いつまでも元気で健康でいっぱい可愛がってもらうんだよ!

っと心の中で願いながら、診察を終えました。

ところで、犬や猫の死亡原因はどうなのでしょうね。

日本で調べられたものはありませんが、1998年にアメリカでの報告(動物病院での報告)がありますのでここにご紹介します。
たぶん日本においても同様でしょう。

犬の死亡原因  
 
1位:悪性腫瘍(いわゆるガンなど)47%

2位:心臓病12%

3位:腎臓病7%

4位:てんかん4%

5位:肝臓病4%

6位:異拡張・胃捻転3%

7位:糖尿病3%

8位:突然死2%

9位:副腎疾患2%

10位:免疫疾患2%

1位:悪性腫瘍32%

2位:泌尿器疾患23%

3位:心臓病9%

4位:糖尿病6%

5位:FIP(猫伝染性腹膜炎)5%

6位:FIV(猫エイズウィルス)5%

7位:Felv(猫白血病ウィルス)4%

8位:甲状腺機能亢進症3%

9位:肝臓病3%

10位:感染症<1%

2006/10/19 木曜日

  乳腺腫瘍

いぬの乳腺(乳房)は、左右両側に4から5対ありそれぞれがつながって脇の下から脚の付け根まで伸びています。
この乳腺にできる腫瘍は、乳頭の周囲や前後の乳腺の間に固めのしこりが触れられるのが特徴です。

 

「乳腺の腫瘍はすべての腫瘍の中でも52%を占め、 犬の発生率第一位の腫瘍です。」
発症年齢は平均10才ですが、5才を超えると要注意。

生まれたて初めての発情、2回目の発情までに避妊手術を行うと、98%以上乳腺腫瘍は発生しません。

乳腺の腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。
悪性のもの、いわゆるガン(乳がん)である確率は約50%であるといわれています。
しこりは急速に大きくなる場合もあれば、長い間大きくならなかったしこりが突然大きくなり始める事があり、この場合も乳がんの可能性が疑われます。

*乳腺にしこりを見つけたら、小さいうちに獣医師の診察を受けましょう。

乳 が ん は ど う や っ て 調 べ る の ?

ガンの確定診断をつけるには、しこりの一部を採取し、病理検査を行います。しかし乳腺にしこりが複数ある場合、治療の目的も兼ねて乳腺を大きく切り取り(予防処置)、手術後に摘出したしこりで病理検査を行う事が多くの場合適用されます。

手術前には必ずレントゲン検査、超音波検査などでほかの臓器に転移していないかどうかを確認します。
もし肺などに転移があれば、今後の治療方針が変わってきます。

 

乳 が ん は ど う や っ て 治 す の ?

ガンが疑われる場合は、しこりの部分だけ切り取るのでなく、まわりの健康な組織も含めて乳腺ごと切除します。
直径1cm以下の大きさのガンであれば、手術を受ける事で殆ど完治します。

 

乳 が ん の 早 期 発 見 と 予 防 は で き る の ?

愛犬が5歳以上なってる場合は、月に一度、おなかをなでるついでに乳腺を優しくつまむようにしてしこりの有無を確認してください。乳がんの発症にはホルモンの分泌が関連していることもあり、もし発情がくるたびに乳腺のしこりが大きくなるようなら、ホルモンの分泌源である卵巣子宮の摘出(避妊手術)を行ったほうがよいでしょう。

HP03.13 322 HP4 HP中山チャオ乳腺腫瘍1

2006/10/18 水曜日

  腫瘍とは

身体はさまざまな細胞で作られています。
その細胞は秩序を持って分裂し、決まった回数で死滅し、新しい細胞が出来てくるといったことを繰り返しているのです。

ところが腫瘍細胞は、身体組織そのものの細胞なのですが、自立性をもって(勝手に、無秩序に)増殖します。
そして、その増殖した細胞は、形態的にも機能的にも異型性をなしており、その腫瘍細胞の集団(しこり、浸潤)が腫瘍なのです。

よく腫瘍の診察の時に、「この腫瘍の原因は何ですか」っと聞かれますが、原因はさまざまです。

遺伝的素因のある犬種、ホルモン、加齢、ウィルス、紫外線、外傷、化学物質、その他さまざまな原因により、突然、スイッチが入ったかのように腫瘍細胞が発生し、自立性をもち無限に増殖していくのです。

2006/10/13 金曜日

  健康診断・ワンニャンドッグ

先日、アトピー性皮膚炎で悩む10歳のシーズが初診で来られました。

見るからに何年も経っている状態の典型的なシーズのアトピーの皮膚(乾性脂漏症のタイプ)でかなりの痒みが何年も続いているようでした。

犬自体は元気いっぱい、食欲旺盛で、食餌療法とシャンプー療法、投薬を指示しました。
また、10歳という年齢、聞くと一度も健康診断などを受けたことがないとのこと、ぜひ受けてくださいとお奨めしました。

数日後健康診断でやってこられました。
結果は、
貧血を伴う脾臓の悪性腫瘍(転移あり)。

本当に犬は元気で食欲もあるのですが、お腹の中では大変なことが起こっていました。

人間でも健康診断で見つかる病気がものすごく多いですね。

物言わぬ動物。
よほど病気が進まないと気づかない事が多くあります。

せひ、年に1度もしくは2度の健康診断をお奨めします。