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2012/3/12 月曜日

  No.6 副腎疾患・日本獣医内視鏡外科研究会に参加

院長の寺田です。
第8回学術総会に参加。人医の腎泌尿器外科の二名の先生の講演を聴きました。
今回は、副腎腫瘍に対する外科的手術の秘訣を聞くと言ったものです。我々獣医師は人医のように専門化された仕事ではありません。その状態の善し悪しは評論する方に任せるとして、現場の私たちは全科を毎日頑張るのみ!
当院では、副腎疾患は年間数頭の罹患率だと思われます。数頭と少ないですが確実に目にする疾患です。
副腎は、左右の腎臓の頭よりで背骨に近いところに左右にある大切な臓器です。犬の場合、厚みが5㎜ほどの小さな臓器です。
主に副腎ホルモンと言われる体内環境を一定に保つ重要なホルモンを分泌しています。
副腎皮質は、主にコルチゾールとアルドステロンを作ります。コルチゾールはステロイドとも言われ、ストレスから体を守り、糖や脂肪の代謝を調整します。アルドステロンは、塩分、カリウム、水分、血液量、血圧を保つ役割をしています。
副腎髄質は、アドレナリンとノルアドレナリンを分泌し、心拍数上昇、血圧・血糖値の上昇、発汗などの働きを行っています。
人間では、内分泌性高血圧などが問題となっております。高血圧の患者数が約4000万人であり、その内の約3%の約120万人が副腎性の問題で起こる原発性アルドステロン症と言われています。しかし犬猫ではこの原発性アルドステロン症はあまりありません。殆どがクッシング症候群(下垂体性、副腎腫瘍)、その他副腎腫瘍、褐色細胞腫と言われるものです。その中でもクッシング症候群が最も多く見られ、動物薬としてアドレスタンという名前で犬専用の治療薬も発売されております。
共立製薬http://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/
クッシング症候群は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)であるコルチゾールが過剰に分泌される病気です。
中年期に多く見られ、多飲多尿、多食、腹囲膨満(太鼓腹)、が見られ、糖尿病の原因疾患としても見つかることがあります。
また、犬では内分泌性の左右対称性脱毛(薄毛)やなかなか治りにくい皮膚病として見つかることが多いのが特徴です。最近では、ワンニャンドックのように健康診断での肝酵素の上昇や肝腫大として見つかる事が多くなってきています。
やはり「喋ってくれない」動物では、人間に比べ進行して見つかることが多い様です。
検査では血液検査、ホルモン検査、超音波検査やレントゲン、CT検査などを行います。
原因は、①副腎皮質に腫瘍が出来る場合(副腎腫瘍性)、②脳の下垂体と言われる場所に腫瘍が出来る場合(下垂体性)、③体の他の臓器に出来た腫瘍から偽のホルモンが産生されることにより起こる場合(異所性)があります。
治療法は、手術と薬物療法となります。
副腎腫瘍の場合も手術の難易度は高く、まして下垂体性の場合などは脳への手術となり、犬では非常に難しい物となっております。(費用対リスクの面からも熟慮が必要です)

人医では、腹腔鏡での手術が50%で行われているみたいですが、獣医界ではまだまだ少ないのが現状です。当院では開腹での手術を行っております。また褐色細胞腫の場合、当院でも見られていることですが腹腔内の出血といった緊急疾患として見つかることが多いのも現状です。
薬物治療は、手術と同時に行われることもありますが、根本治療にはなりませんが過剰な血中コルチゾールレベルを低下させることにより、多飲多尿が押さえられたり、難治性や再発性の皮膚疾患が抑えられたりといった、犬を飼う上での犬の”生活の質”をあげることが可能となります。前述のように動物薬としても発売されております。

物言わぬ小さな生き物。微力ながら、少しでも、少しでも、お役に立てれば。

皮膚病が主訴で来院された犬の外貌

超音波検査で確信された腫大した副腎