精巣の腫大
精巣のが大きく腫れるている時にはいろんなことが考えられます。
二次的に引き起こされる原因として、右心不全による浮腫、虫刺されや蛇に噛まれても起こります。
精巣自体に問題がある場合を以下に記します。
① セルトリー細胞腫Sertoli cell Tumor
精細管の内側のセルトリー細胞(生殖細胞を支持し、栄養を補給する)が腫瘍化
② 間細胞腫Interstitial cell tumor
精細管周囲の間質細胞(アンドロジェンを分泌)の腫瘍化
③ 精上皮腫Seminoma
精細管内の生殖細胞が腫瘍化
④ 精巣炎 最近の感染(前立腺炎、ブルセラ病、などから波及)
⑤ 精巣水腫
[発生年齢(腫瘍)]
中年
[陰睾との関係]
セミノーマとセルトリー細胞腫の発生頻度は、下降した精巣の陰睾精巣は約13倍。
発生割合 セミ4:セル6
腹腔内のものよりソケイ管内のものの方が約2倍腫瘍発生。
右の方が多い。
[悪性度]
転移率(文献により色々)
セミノーマ 5~11%、セルトリー細胞腫 10~20%
⇒所属リンパ節、動脈周囲、内腸骨リンパ節群、肺、諸臓器。
⇒必ず、随時、病理学的検査で腫瘍細胞の異型性、被膜への浸潤性、脈管への浸潤性
などによって悪性度を判定!
[臨床兆候]
セルトリー細胞腫 雌性化、エストロジェン中毒 対称性非掻痒性脱毛
間質細胞腫の約50%は両側性、セミノーマとセルトリーは10%が両側性。
[治療]
手術:去勢(総鞘膜を被せたまま広範囲に完全摘出)+リンパ節の郭清
転移したセミノーマ(放射線療法、アドリアマイシンなど)
[予後]
セルトリー(転移や骨髄毒性の無いものは良好、血液学的改善はOPE後2~3週で改
善、完全な回復に5ヶ月かかることも。骨髄毒性で死亡も)