なんだか顔つきに円熟味が出てきましたルナさん、10才。
No.51 帝王切開
No.50 いい顔です。
No.49 One Health
11月10、11日 福岡県北九州市において開催されました「第2回世界獣医師会-世界医師会”OneHealth”に関する国際会議」に出席をしてきました。
”OneHealth”と言う言葉は余り聞き慣れ解かも知れません。OneWarldと言い換えた方が理解しやすいかも知れません。
我々人類が生きている多種多様な生態系は、全ての生物、人類と動物、そして生育環境においてつながっており、急速な都市化や人口増加により複雑で様々な問題に曝されております。
そのような複雑な社会的問題を医師や獣医師だけでなく、公衆衛生や社会環境専門家、また野生動物学者そして、国や行政といったその他多くの健康に関連する職種と共に、それぞれの垣根を越えて関係を深め、コミュニケーションと協力のもとに、様々な問題に対応し、予防対策を取っていこうという概念が、”OneHealth”です。
現在重要な問題は、
①新興・再興する人と動物の共通感染症(人獣共通感染症・動物由来感染症、zoonosis)の増加と
②抗生物質などの薬剤耐性の増加です。
今回35カ国の関係者が集い、様々な議論と発表がなされました。また、ノーベル賞受賞者の田中耕一さん、宇宙飛行士の毛利衛さんの基調講演もあり、地域社会から日本、日本からアジア、アジアから世界、そして地球、宇宙といった鳥瞰的視点から物事を捉えるという機会を持たれました。
人獣共通感染症で一番知られているのは、狂犬病と日本脳炎ですが、その他にもエボラ出血熱、ジカ熱、そしてダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などがあります。
薬剤耐性の問題では、MRSAなど抗生物質が効かない菌の出現などは知られている通りですが、それ以外にも家畜への投与残留問題の他に、野菜・果物といった植物への抗生物質投与による環境への汚染などが問題となっております。
私自身、犬や猫の診療だけを考えるといった、いわゆる縦割りな状態にならず、いち科学者Scientistとして思考していかなければならないと強く思いました。
また、世界や日本と言った大きな働きかけの前に、地元地域社会、一般市民へのへの啓蒙・啓発が急務であり、地元、兵庫県、たつの市といったローカルな場での、医師・獣医師・薬剤師・歯科医師・看護婦そして農業・農政・環境学者などの個々のつながり「ローカルなOneHealth」を作っていかなければならないと、今回の会議から考えました。
まずは皆さん、必ず飼い犬には狂犬病予防接種と登録を行い、ペットの飼育如何に関わら日常的に手洗いを励行しましょう。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
http://www.nih.go.jp/niid/ja/route/vertebrata.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index.html
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000090171.pdf