寺田動物病院
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2014/2/23 日曜日

  No.10 緑内障

今年に入って何頭かの緑内障の犬が来院されております。

殆どの犬の症状は、目が痛そうにつぶっている、目が赤い、目が白くて赤いなどです。緑内障は眼圧測定を行い、高眼圧であることを診断していきます。

いろんな原因、いろんな続発症があるので確実に原因を見極めなければいけません。

検査としては、眼圧測定、細隙灯(スリット)による検眼、眼底検査などを行います。目の炎症(ぶどう膜炎)などの有無、視力の有無、網膜の病変などを確実に検査しなければいけません。まれに糖尿病や腫瘍などによっても併発することが多いのも特徴で、必ず全身疾患の有無の検査も同時に行います。

緑内障の治療は、点眼内科治療と外科のコンビネーション治療です。外科治療は特殊な治療なので二次病院としてグラン動物病院をご紹介しております。緑内障は、迅速に診断し、手術に入らなければいけません。当院では迅速で確実な診断を行い、的確にそして素早く二次病院で外科が行えるように心がけております。

しかし、実際には人医では考えられない程の状態で見つかることが多く、手遅れのことも少なくありません。

大切な目。眼科疾患は、非常にデリケートで、迅速な診断治療が最も必要な疾患のひとつです。いつも気にしてあげてくださいね。

「緑内障のポイント」
緑内障とは、

視神経及び網膜が正常に機能できなくなるほどに眼内圧(IOP)が上昇している疾患。

①原発性緑内障

先行あるいは付随する眼疾患や外傷のないIOPの上昇。

典型的には特異的なものや遺伝性が疑われる。

開放隅角・閉塞偶角

②続発性緑内障

その他の眼疾患や外傷などに合併あるいは続発したIOPの上昇。

犬では原発性緑内障の少なくとも2倍、猫では7倍の頻度。

・水晶体関連(特に脱臼、亜脱臼、白内障に関連している)

水晶体脱臼・亜脱臼・膨張水晶体(白内障)・水晶体融解(白内障)

・外傷性

出血・刺創異物・外傷

・炎症性

隅角を閉塞させる周辺部虹彩前癒着

虹彩後癒着

細胞、フィブリンなどによる隅角閉塞

・眼内腫瘍

原発性  メラノーマ(虹彩、毛様体)、その他

続発性  なんでも(特にリンパ腫)

 

*通常片眼性に発症するが、後に対眼にも発症する(中央値8ヶ月)

→予防的に対眼も点眼。予防したり遅らせることが可能(中央値32ヶ月)

ベトプティックbid、チモロールbid

 

発生率

犬 119頭に1頭、 猫 367頭に1頭

 

「緑内障の診断治療チャート」

 

→高眼圧

→視力の有無(メナース反応、綿球落下、後追い行動)
→角膜の混濁 あり・無し

→混濁あり→エコー→レンズ脱臼の有無(前方・後方)
網膜剥離の有無・視神経乳頭の状態観察
腫瘍の有無     など観察

→混濁無し →視力の有無(メナース反応、綿球落下、後追い行動)
→眼球観察(観察できなければエコーへ)
→レンズの脱臼の有無(亜脱臼・完全脱臼、前方・後方)
眼内出血の有無
ぶどう膜炎の有無(水晶体タンパク漏出の有無の推測)
網膜剥離の有無・視神経乳頭観察
網膜変性の有無
腫瘍の有無          など観察

視力が無い場合、OPE後の視力回復を期待してOPEするか否か決めてもらう。

 

「治療」

 

→OPE希望
→すぐに先二次病院に行く事が、可能・不可能
→可能→そのまま行く

→不可能(1日~数日後):どんな手を使っても眼圧下げる:D-マンニトール
→脱臼無し→キサラタンの点眼1回+チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

→脱臼あり→チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

 

→OPE希望せず
→脱臼無し→キサラタンの点眼1回+チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方
→脱臼あり→チモロール・リズモン点眼処方:キサラタンもあり。
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

→OPEの有無にかかわらず
内服・アムプロジン 0.1-0.4mg/kg sid-bid

・メニワンアイ
→重度の状態で見つかることが多いので、最終的に牛眼化し、眼摘・義眼挿入手術・放置となることもやはり多い。

「OPE方法の選択」
①レーザー強膜凝固TSCP:安価(3万円)、炎症起こる。眼圧安定いろいろ。眼球癆も。
②偶角インプラントGI:10万円、炎症で詰まることあり。今とところこれ!
③管錐術:出血多い。
+白内障の手術
+脱臼の補正手術

→現在一番効果があるのは、偶角インプラントGI

 

「症例パターン」

①ぶどう膜炎+緑内障          →随時検討
②白内障+緑内障            →白内障OPE(PEA+IOL)+GI
③レンズ完全脱臼+緑内障        →レンズ除去+レンズ挿入+GI
④レンズ亜脱臼+緑内障         →脱臼を防ぐOPE+GI
⑤レンズ脱臼+ぶどう膜炎+緑内障    →随時検討

⑥緑内障のみ

 

→ ぶどう膜炎併発時が悩み所。人医とは違う。

内科的にも、本当はマンニトール、キサラタンは禁忌だが。

手術も本当は原発性が適応だが。

ぶどう膜炎の重症度によって個々に判断して対応。

重度のぶどう膜炎で治療の反応が悪い場合は、眼内腫瘍を強く疑う。

ある程度までコントロールできて“視覚があり”、なおかつ内科的に無理なら、

GIかTSCP(径強膜毛様体光凝固)のどちらかを選択せざるをえない。

2014/2/18 火曜日

  No.9 今月のオススメ図書

院長の寺田です。

政府の重要課題のひとつに掲げられているのがTPPへの参加です。TPP:環太平洋戦略的経済連携協定とは、太平洋を囲む国々による経済の自由化を目的とした多角的・多目的な経済協定です。アメリカ、カナダ、ニュージーランドオーストラリア、ベトナムなど9カ国が参加を目指しています。(中国、ロシア、韓国などは参加していないので何処が”環太平洋”なのかなって思ってしまいますが。)

TPPより先に、韓国ではFTA、カナダではNAFTAと言われる経済協定が行われているのですが、その結果、この2国では見るも無惨な畜産業の廃退が起こっています。特に韓国の現状は大変なことになっています。

自国の”食”を守ることは、やはり経済活動とは別の視点から見なければいけないように私は感じています。

私は、動物病院を営む小動物獣医師です。一般的には獣医さんは犬猫のペットのお医者さんと捉えられているようですが、獣医師の仕事の中で一番大切な仕事は、”食の安全を守る”ことです。農業、畜産、水産業に携わる獣医師が一番多く、その社会的重要性は年々増すばかりです。

 

さて、今月ご紹介する図書は、日本の家畜を紹介した本です。一般向けに簡潔かつ分かりやすく、そして図説として美しくまとめられた物です。

 

「日本の家畜・家禽」 監修・著 秋篠宮文仁・小宮輝之

 

名前を見て気づかれると思いますが、そうです、あのとってもお髭の似合う殿下、秋篠宮文仁殿下が共著で書かれた物です。皆さんご存じの通り、皇室ご一家は大変動植物へのご関心、ご研究が盛んなご一家です。秋篠宮殿下も東大総合博物館研究員、日本動植物水族館協会総裁でいらっしゃいます。

しかし、皆さんご安心ください。この本は殿下の名前だけで売っている物ではありません。日本の家畜、ウマ・ウシ・ブタ・ニワトリなど日本の在来家畜・家禽と国内の外来種、約300種類、500内種を収録してあります。

現在の姿だけを説明するのではなく、その家畜の導入・由来などからその歴史が語られ、それぞれの特徴がとても分かりやすく簡潔にまとめられています。また、野生動物と同様にに絶滅が危惧されている家畜、特に日本の在来馬や日本鶏の一部について種の保全を訴えるかのような内容も記載されています。家畜は人間の歴史と共に歩んできた生き物であり、その遺伝的資源としての重要性を語られているのだと思いました。

多様な種が存在するのは、人間も含む地球上の生物の存在にとって大変重要な事なのです。政治の世界と同じで一極独裁の様相を呈すると、歴史が語るように、良い事はありません。まかり間違えば、絶滅につながります。

この本を読むと、何も他国から農水産物をせっせと買うことばかり考えずに、自国での今ある素晴らしい生物学的資源をもっと有効にそして大切に育てることが大切ではないかと考えさせられました。

スミマセン、そんな政治的な話は一切書かれていませんよ。でもそんな事すら考えてしまうほど日本の家畜について網羅されている本です。

ニワトリの章のところには、皆さんご存じだとは思います、江戸時代中期の画家、伊藤若冲の群鶏図が記載されています。家畜の本にあんなにも素晴らしい絵を選んで載せてあるんですよ。皆さん、見たくなったでしょ?!

日本が誇る名作の絵の中に、今は絶滅してしまった品種を見ることで貴重な資料だと書かれていました。

この部分だけでも素晴らしい!

殿下感服いたしました。

待合室でぜひ手にとって見てください。51GvtW7H-HL__SS500_

 

 

2014/2/5 水曜日

  No.8 ご相談は遠慮なく受付までどうぞ!

受付の中川です。

診察のご要望、フードの選択、トリミングについてなどなんでも遠慮なくご相談下さいね。

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2014/1/27 月曜日

  No.7 日本獣医がん学会 

院長の寺田です。

昨日、日本獣医がん学会に参加してきました。

まだ学会になっていなかった20年以上前の獣医ガン研究会の頃より、この会は毎年欠かさず参加しております。この研究会が始まった頃は、私はまだ大学を出たばかりの勤務医でした。どうしてもこの会に参加し勉強したかったので、なけなしの小遣いを出して自費で毎年参加し、若気の至りからか有名先生方にずけずけ質問をしていたのが懐かしい思い出です。

今年のテーマは肝臓腫瘍。やはり人医療同様に獣医療にも見られる病気です。

腫瘍ではない老化とも言える肝臓の変性(線維化)に伴う再生性結節や結節性過形成と言われる腫瘤病変(塊)から、腫瘍腫瘤としては良性の肝細胞腺腫、悪性の肝細胞がんなどがあります。

犬猫の特徴として、他の病気でもそうですが、どうしても進んだ物、大きな物が多いのが現状です。人間では考えられないほどの大きさで見つかる場合も多いのです。それは、人間でも言われているように、肝臓は”沈黙の臓器”と言われなかなか症状が見えてこない臓器だからだけでなく、犬猫は喋らないのもあるのですが、人間のように毎年の健康診断の検診率が低いのも1つの要因です。

当院では、血液検査・血液生化学検査・レントゲン検査・超音波診断、針生検などが行えます。より高度な検査として高度医療センターをご紹介しており、動物では全身麻酔下でとなりますが、CT検査やMRI検査なども行えるようになっております。

ぜひ高度医療センターへのご紹介もご利用下さい。

写真は、夕暮れ迫る会場のニューオオタニ大阪と大阪城ホールに大阪城。昼食時に大好きな豊臣秀吉の気分でお城に向かったのは言うまでもありません。IMG_2656

 

 

2014/1/24 金曜日

  No.6 Cコース(歯科処置)

今日も引き続きワンニャンドックのご予約を頂いております。

昨日の朝1頭目は、Cコースと言うことで、一般身体検査、尿検査、検便、血液検査、胸部レントゲン、腹部超音波検査、心電図検査と行いました。特に異常がなかったので引き続き血液凝固検査を行い、全身麻酔下で歯周病治療(歯石除去・抜歯・瘻管閉鎖・ポリッシング等)を行いました。

写真の通りかなり酷い状態でしたので殆どの歯は残す事が出来ませんでした。また、鼻への瘻管(穴)が空いていたので掻爬し閉鎖縫合を施術しました。スケーリング

 

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