寺田動物病院
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2014/3/14 金曜日

  No.14 話題のエッセイ

東京都の作成したエッセイがちょっと話題です。

動物愛護読本 犬を飼うって素敵ですか?

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/aigo/yomimono/dokuhon.html

見てみて下さい。

 

2014/3/11 火曜日

  No.13 希望という名の光

3年前の今日の日、東北大震災で亡くなられた方々、行方不明の方々、被災された方々に哀悼の意をもう一度捧げます。そして、少しでも早く被災された方々、被災地が復興しますように祈りたいと思います。

あの日を我々日本人は忘れないでしょう。また、忘れずに教訓として生きていかねばならない。

人間の英知をもってしても想像すら出来ない自然の力。

人間の英知を持ってしても制御すら出来ない技術。

そして人間の支え合う力。

焦らず、ゆっくりと。今を生きていたい。

被災地、陸前高田市では津波の到達点上に桜を植樹し、後世に伝えるプロジェクトが行われているそうです。http://www.sakura-line311.org/

また、いつか、必ず襲ってくる地震と津波を忘れないために。

私は大学時代(北里大学)を青森で過ごしました。そこで私は聞いたことがありました。地震とそれによる津波のことを。東北太平洋沿岸地域の方々は口づてで伝えることはしていたのですが、やはり時と共に危険意識が薄れていたのも実情でしょう。幼少時からの話を聞き、素早く逃げた方々も多かったと聞きます。私の義兄も八戸の海岸沿いの工場で働いておりましたが、地震直後津波を警戒し、皆で逃げたことで難を逃れたそうです。

この地震と津波を決して忘れず、必ずまた来る日のために語り継がなくてはなりませんね。

そして、再び立ち上がる人間の力を。

静かに、今日は祈りたいと思います。

鎮魂のために、

そして事故を起こした原発が少しでも早く廃炉されるように。

皆さんもご存じかと思いますが、歌手の山下達郎さんが震災に遭われた方々を思い、作られた歌を載せて置きたいと思いました。

~希望という名の光~

この世でたったひとつの
命を削りながら
歩き続けるあなたは
自由という名の風

底知れぬ闇の中から
かすかな光のきざし
探し続ける姿は
勇気という名の船

だからどうぞ泣かないで
こんな古ぼけた言葉でも
魂で繰り返せば
あなたのため 祈りを刻める

眠れない夜のために
子守歌があるように
傷付いた心には
愛という名の絆を

A Ray Of Hope For You
A Ray Of Hope For Me
A Ray Of Hope For Life
For Everyone

運命に負けないで
たった一度だけの人生を
何度でも起き上がって
立ち向かえる
力を送ろう

どうぞ忘れないで
移ろう時代(とき)の中から
あなたを照らし続ける
希望という名の光を
あなたを照らす光を
希望という名の光を

A Ray Of Hope For You
A Ray Of Hope For Me
A Ray Of Hope For Life
For Everyone…

 

2014/3/10 月曜日

  No.12 副腎皮質機能低下症(アジソン病)

犬では比較的まれな疾患に、副腎皮質機能低下症(アジソン病)があります。当院では、過去17年で4頭(雑種1頭、ボーダーコリー1頭、トイプードル1頭、Wコーギー1頭)が診断・治療されており、今週また一頭のプードルのワンちゃんが診断され、治療を開始しました。

副腎とは、腎臓のすぐ上にある小さな(約5mm)器官で大切なホルモンを数種類分泌する内分泌器官です。

大きく2層に分かれ、副腎皮質からはいくつかの副腎皮質ホルモン(糖の利用を制御する糖質ホルモン・電解質を制御する鉱質コルチコイド:ミネラルコルチコイド・生殖機能を制御する性ホルモン)が出ています。

副腎髄質からは、カテコールアミンホルモンと言われるエピネフリン、ノルエピネフリンが出ています。

この副腎皮質の機能が低下してしまうのが、副腎皮質機能低下症(アジソン病)です。

原因は、殆ど場合、特発性(免疫介在性)で、自分の免疫反応によって副腎皮質が侵され、機能が低下しています。まれではありますが、肉芽腫性疾患や転移性の腫瘍、下垂体性腫瘍などによっても起こることがあります。

症状は、様々で、元気消沈、食欲不振、嘔吐、体重減少、悪化と回復の繰り返し、下痢、過去の治療に対する反応、振戦、多飲多尿などです。

時には、急性症状として、急に元気がなくなり、ふらついたり倒れたりし、ショック状態に陥り、迅速に治療をしなければ、命に関わることがあります。

一般身体検査所見

  • 犬:沈うつ、虚弱、脱水、虚脱、低体温、毛細血管再充填時間(CRT)延長、メレナ、弱い脈拍、徐脈、腹部の痛み、脱毛。
  • 猫:脱水、虚弱、CRT延長、弱い脈拍、徐脈。

一般血液検査/生化学検査/尿検査

  • 血液学的な異常として、貧血、好酸球増多症、リンパ球増多症などが挙げられる。
  • 生化学検査では、高カリウム血症、高窒素血症、低ナトリウム血症、低クロール血症、総CO2の低下、高カルシウム血症、肝酵素の上昇、血清アルカリホスファターゼの上昇、低血糖などがみられる。
  • 尿検査では、しばしば尿濃縮能の低下が認められる。
  • 副腎皮質機能低下症でも電解質異常が認められない症例もいる。

確定診断 ACTH刺激試験を行い血清コルチゾール値が低値であることを証明します。

治療 生理食塩水の点滴治療と共に、生涯にわたるグルココルチコイド・ミネラルコルチコイドの投与が必要。また、旅行やペットホテル、入院などストレスのかかる場合は気を付けなければいけません。

予後 ほとんどのばあ愛、治療が適切である限り、良好に推移し、一般的寿命を全うすることが出来ます。

 

 

 

 

2014/3/8 土曜日

  No.11 JAHAセミナー

院長の寺田です。

今週は本当に寒いですね。その上、花粉が多くて、花粉症の私にはとっても大変な1週間となっております。さて、水・木・金とお休みを頂き、JAHAという獣医学団体の学術講習会に参加してきました。今回は、「神経外科」と言うことで、特に脊髄疾患を中心に再勉強してきました。

人間と違い、物言わぬ動物の神経学的なシグナルを見つけるのはやはり大変です。人間のように、右足の痺れが・・・などと動物が語ってくれたらどんなに楽か。いつもそう思います。

今回、当院でも多い椎間板ヘルニアの新しい手術法の紹介がありましたが、やはり術前のMRI検査の重要性を再認識しました。人医では当たり前の検査となっておりますが、獣医学ではMRI検査自体の実費費用として検査3-5万円の上に、検査のための麻酔料(所要時間30-60分間、動かない様にしないと撮影できません)などもかかりますので、総額7-8万円はかかってしまいます。飼い主様には大変なご負担だと思います。しかし、患部の特定だけでなく、その炎症の程度や手術不適な状態の把握、また、MRIでしか見つからない病変(脊髄軟骨塞栓症など)などが手術前に把握できるのは大変有用です。単純で価格のお安い脊髄造影検査(これは院内でも行えます)単独とは比べるまでもありません。

ぜひ、椎間板ヘルニアや神経外科が必要なば場合は、MRI検査をお勧めします。なお、MRI検査は二次病院(加古川動物病院、京都AR獣医神経病センター)への検査依頼となっております。ぜひご利用下さい。

その他、沢山の神経外科を再勉強し、頭の中をブラッシュアップしてきました。

2014/2/23 日曜日

  No.10 緑内障

今年に入って何頭かの緑内障の犬が来院されております。

殆どの犬の症状は、目が痛そうにつぶっている、目が赤い、目が白くて赤いなどです。緑内障は眼圧測定を行い、高眼圧であることを診断していきます。

いろんな原因、いろんな続発症があるので確実に原因を見極めなければいけません。

検査としては、眼圧測定、細隙灯(スリット)による検眼、眼底検査などを行います。目の炎症(ぶどう膜炎)などの有無、視力の有無、網膜の病変などを確実に検査しなければいけません。まれに糖尿病や腫瘍などによっても併発することが多いのも特徴で、必ず全身疾患の有無の検査も同時に行います。

緑内障の治療は、点眼内科治療と外科のコンビネーション治療です。外科治療は特殊な治療なので二次病院としてグラン動物病院をご紹介しております。緑内障は、迅速に診断し、手術に入らなければいけません。当院では迅速で確実な診断を行い、的確にそして素早く二次病院で外科が行えるように心がけております。

しかし、実際には人医では考えられない程の状態で見つかることが多く、手遅れのことも少なくありません。

大切な目。眼科疾患は、非常にデリケートで、迅速な診断治療が最も必要な疾患のひとつです。いつも気にしてあげてくださいね。

「緑内障のポイント」
緑内障とは、

視神経及び網膜が正常に機能できなくなるほどに眼内圧(IOP)が上昇している疾患。

①原発性緑内障

先行あるいは付随する眼疾患や外傷のないIOPの上昇。

典型的には特異的なものや遺伝性が疑われる。

開放隅角・閉塞偶角

②続発性緑内障

その他の眼疾患や外傷などに合併あるいは続発したIOPの上昇。

犬では原発性緑内障の少なくとも2倍、猫では7倍の頻度。

・水晶体関連(特に脱臼、亜脱臼、白内障に関連している)

水晶体脱臼・亜脱臼・膨張水晶体(白内障)・水晶体融解(白内障)

・外傷性

出血・刺創異物・外傷

・炎症性

隅角を閉塞させる周辺部虹彩前癒着

虹彩後癒着

細胞、フィブリンなどによる隅角閉塞

・眼内腫瘍

原発性  メラノーマ(虹彩、毛様体)、その他

続発性  なんでも(特にリンパ腫)

 

*通常片眼性に発症するが、後に対眼にも発症する(中央値8ヶ月)

→予防的に対眼も点眼。予防したり遅らせることが可能(中央値32ヶ月)

ベトプティックbid、チモロールbid

 

発生率

犬 119頭に1頭、 猫 367頭に1頭

 

「緑内障の診断治療チャート」

 

→高眼圧

→視力の有無(メナース反応、綿球落下、後追い行動)
→角膜の混濁 あり・無し

→混濁あり→エコー→レンズ脱臼の有無(前方・後方)
網膜剥離の有無・視神経乳頭の状態観察
腫瘍の有無     など観察

→混濁無し →視力の有無(メナース反応、綿球落下、後追い行動)
→眼球観察(観察できなければエコーへ)
→レンズの脱臼の有無(亜脱臼・完全脱臼、前方・後方)
眼内出血の有無
ぶどう膜炎の有無(水晶体タンパク漏出の有無の推測)
網膜剥離の有無・視神経乳頭観察
網膜変性の有無
腫瘍の有無          など観察

視力が無い場合、OPE後の視力回復を期待してOPEするか否か決めてもらう。

 

「治療」

 

→OPE希望
→すぐに先二次病院に行く事が、可能・不可能
→可能→そのまま行く

→不可能(1日~数日後):どんな手を使っても眼圧下げる:D-マンニトール
→脱臼無し→キサラタンの点眼1回+チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

→脱臼あり→チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

 

→OPE希望せず
→脱臼無し→キサラタンの点眼1回+チモロール・リズモン点眼処方
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方
→脱臼あり→チモロール・リズモン点眼処方:キサラタンもあり。
→さらに炎症あり→ステロイドの注射・内服処方

→OPEの有無にかかわらず
内服・アムプロジン 0.1-0.4mg/kg sid-bid

・メニワンアイ
→重度の状態で見つかることが多いので、最終的に牛眼化し、眼摘・義眼挿入手術・放置となることもやはり多い。

「OPE方法の選択」
①レーザー強膜凝固TSCP:安価(3万円)、炎症起こる。眼圧安定いろいろ。眼球癆も。
②偶角インプラントGI:10万円、炎症で詰まることあり。今とところこれ!
③管錐術:出血多い。
+白内障の手術
+脱臼の補正手術

→現在一番効果があるのは、偶角インプラントGI

 

「症例パターン」

①ぶどう膜炎+緑内障          →随時検討
②白内障+緑内障            →白内障OPE(PEA+IOL)+GI
③レンズ完全脱臼+緑内障        →レンズ除去+レンズ挿入+GI
④レンズ亜脱臼+緑内障         →脱臼を防ぐOPE+GI
⑤レンズ脱臼+ぶどう膜炎+緑内障    →随時検討

⑥緑内障のみ

 

→ ぶどう膜炎併発時が悩み所。人医とは違う。

内科的にも、本当はマンニトール、キサラタンは禁忌だが。

手術も本当は原発性が適応だが。

ぶどう膜炎の重症度によって個々に判断して対応。

重度のぶどう膜炎で治療の反応が悪い場合は、眼内腫瘍を強く疑う。

ある程度までコントロールできて“視覚があり”、なおかつ内科的に無理なら、

GIかTSCP(径強膜毛様体光凝固)のどちらかを選択せざるをえない。

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